歯を削らない治療「ダイレクトボンディング」とは
ダイレクトボンディングとは、多種類の審美修復用プラスチックを、それぞれの歯の色・透明感に合わせて重ねて盛り付ける修復治療です。
従来の1種類のプラスチックを使用した治療法では再現できない、自然な、美しい修復ができます。
虫歯の治療の際だけでなく、歯の形を整えたいとき、前歯の隙間が気になるとき、歯が欠けたときなどにも適応となります。
治療期間はどれくらいかかる?
治療期間は、相談を含めて2~3回の通院、つまり2~3週間くらいを目途にお考えください。1回の診療には、30分~1時間くらいの時間をかけます。
ただし、自費診療の場合であれば時間をかけて1回の通院で終わらせることもできます。その場合も、問診・検査ときちんと手順を踏み、十分に患者様のご理解・ご同意を得てからの治療となりますので、ご安心ください。
痛みはある?
必要最小限の量しか削りませんので、治療中の痛みはほとんどありません。必要に応じて、麻酔をかけます。
虫歯が深い場合、治療後に痛みが生じることがありますが、多くは数日以内に治まります。
ダイレクトボンディングはこんな方におすすめ
- できるだけ削らずに虫歯を治療したい方
- 歯の色や透明感を自然に仕上げたい方
- 前歯など歯間が広いのが気になる方
- 歯の形を整えたい方
- 現在使用中の詰め物が変色してきて気になる方
- 現在使用中の金属の詰め物を交換したい方
- 歯の表側のデコボコが気になる方
- 歯が欠けた方
ダイレクトボンディングができないことも
- 虫歯が大きく神経まで進行しているとき
- 歯が大きく欠けているとき
- 被せ物の治療が必要となったとき
その他、顎の成長段階にある方には、ダイレクトボンディングができないことがあります。
ダイレクトボンディングのメリット・デメリット
メリット
見た目が美しい
白さや透明感の異なる多種類の審美修復用プラスチックから、部位に応じたものを選択し、使用することができます。
そのため、天然歯に近い、自然な美しさを再現できます。
歯を削る量が少ない
ダイレクトボンディングは、審美修復用プラスチックを直接盛り付けていく治療です。
詰め物や被せ物を取り付ける場合と比べ、歯を削る量が少なくて済みます。
治療期間は最短1日と短い
詰め物や被せ物のように型取りをする必要がありませんので、最短1日で治療が終了します。
治療費が安く経済的
保険適用となるため、セラミックを使った詰め物・被せ物の治療と比べると経済的です。
※症例によっては、自費診療となることがあります。事前に確認いたしますので、ご安心ください。
部分的な補修ができる
破損したり摩耗したり変色するなどして補修が必要になったときにも、その一部だけを直すことができます。
詰め物や被せ物の場合は、再度初めから作り直す必要があります。
デメリット
経年劣化が生じる
どんな材料にも言えることですが、経年劣化は起こります。
セラミックと比べると、着色もやや早くなります。
二次カリエスが起こる場合がある
経年劣化に伴い、歯と材料のあいだには少しずつ隙間が生じます。
そこに歯垢が溜まることで、二次カリエス(二次虫歯)を起こすことがあります。
脱落・破折が起こることがある
天然歯とは接着剤によって密着していますが、強い衝撃を受けたときや、噛み合わせの乱れなどで持続的に不正な力がかかり続けた場合には、脱落・破折を起こすことがあります。
適応できない部位がある
強い力のかかる奥歯には適しません。また、接着面積が広い場合にも、適応とならないことがあります。
ダイレクトボンディングとセラミック治療、どちらがおすすめ?
長期的な審美性や耐久性などにおいては、セラミック治療が優れています。一方でダイレクトボンディングは、歯を削る量が少なく、治療費が抑えられます。
その他にもさまざまな違いがありますので、一概にどちらがおすすめとは言えません。治療する歯や咬み合わせなどによっても、合う・合わないがありますので、歯科医院でお口を診てもらい、希望を伝えて相談するのが良いでしょう。
ダイレクトボンディングの症例
ダイレクトボンディング症例①
Before
After
①治療名 | ダイレクトボンディング |
---|---|
②治療説明 | 上顎前歯の正中離開をコンポジットレジンを使用して、歯を削ることなくダイレクトボンディングにて治療しました。 |
③治療回数・期間 | 1回・1日(45分) |
④副作用とリスク | ダイレクトボンディングに使用するコンポジットレジンが経年劣化にて変色、着色することがあります。 |
⑤料金 | 6,000円 |
ダイレクトボンディング症例②
正面
Before
After
下顎
Before
After
①治療名 | ダイレクトボンディング |
---|---|
②治療説明 | 上顎前歯の正中離開をコンポジットレジンを使用して、歯を削ることなくダイレクトボンディングにて治療しました。 |
③治療回数・期間 | 1回・1日(45分) |
④副作用とリスク | ダイレクトボンディングに使用するコンポジットレジンが経年劣化にて変色、着色することがあります。 |
⑤料金 | 6,000円 |