☆歯並びやかみ合わせが悪くなる要因
①乳歯が虫歯などで早く抜け、永久歯の生える場所が無くなる。
②歯と顎の骨の大きさのバランスが悪く永久歯の生える場所が無い。
③出っ歯や受け口の中には純粋に遺伝的なことが関わってくることもある。
④おしゃぶり、指しゃぶりや舌の前方突出癖や口呼吸、頬杖、うつぶせ寝などの生活習慣。
☆乳歯の歯並び
乳歯の歯と歯のすき間があるのは、正常です。
乳歯より大きな永久歯が生えてくることを考えると、すき間がある方が都合がいいのです。
このすき間は、永久歯に生えかわるときになくなってきます。
時々あごに対して小さなサイズの歯が生えると、すき間が生じることがありますが、その際は、永久歯列になってから治療できます。
☆歯並びは遺伝する?
一見、正常に見える歯並びでも、成長と共に変化していきます。特に、近親者に歯並びが悪い方がいれば、歯並びは遺伝的要素が大きく左右します。
(受け口)
まだ奥歯の生えていないお子さんは顎を前に出す癖もあります。
歯並びは遺伝的要因もあります。
例えば、両親が受け口ならば、お子さんもそうなる可能性が大きいので注意が必要です。
最近では、舌を上にあげることが下手なことが、受け口と関係する場合もあることが分かってきました。
乳歯が生えそろう3歳ぐらいまで様子をみて顎を前に出す癖が自然に治らない時には、一度相談して下さい。
(噛み合わせが反対)
永久歯に生えかわるころに自然に治ることもありますが、遺伝的要因があるときは自然に治りにくいです。
あごの大きさの問題なのか、歯の傾きが原因なのか4~5歳ごろになると精密な検査ができ、治療することもできます。
それ以前にでも定期的に歯科を受診し、検査してもらうことが大切です。
(片側だけ噛み合わせが反対)
顎の成長が均等にいかないこともあり、早めの治療をおすすめしています。
ただ、幼少期はうつ伏せで寝る、いつも同じ方向を向いて顎を枕に当てているなどの癖で起こる場合もあり、それを改善すると治る場合もあります。
☆矯正治療を始める時期
歯並びの状況によって違ってきますし、始める時期はあごや顔の発育も考えて決めなければいけません。
前歯が永久歯に交換した時が、将来の歯並びの予想ができる時期ですので、一度ご相談下さい。
☆歯並びが悪いことによる体の影響
重度の場合は、かむ力が弱くなり、消化不良や胃腸障害をおこす可能性があります。
また、噛み合わせが左右均等でないことが原因で、あごの関節に影響が出ることもあります。
その他に発音障害が生じたり、虫歯や歯周病になりやすくなったりします。
8020達成者(80歳で20本以上歯がある方)は綺麗な歯並びをしています。
成長期に一部分の歯のかみ合わせが交叉しているため、骨の成長に影響する場合は、顎の変形などが起きないように早めに矯正治療をすることもあります。
☆歯並びとスポーツの関係
歯並びがいいと、それだけ上下の歯のかむ面積が大きくなります。
かむ力を増せば、強くくいしばることができ、からだ全体の力もより多く入るようになります。
力を入れなければならないスポーツは、間接的に運動能力が向上する可能性があると考えられます。
☆出っ歯とは?
出っ歯の中には、歯だけが前に突き出ている場合と上の顎自体が出ている場合があります。
また上の顎が悪くなくても下の顎が後ろに引っ込んでいるために、出っ歯に見える場合もあります。
出っ歯の原因として、遺伝や指しゃぶりや舌を出す癖、唇を噛むことが考えられます。
習慣が原因の場合はその癖をやめさせることも必要ですが、その原因を探してあげることが大切です。
見かけが気になるだけでなく、前歯で噛み切りにくい、唇が閉じにくい、発音がはっきりしないなどがありましたら、できるだけ早く歯科を受診してください。
☆癖に気を付けましょう
前歯が抜けて、生えてくるまでの間に、その隙間に舌を入れて遊ぶ子供を見かけます。
そのまま癖が残ると、前歯がかみ合わなくなります。また、もともとつばを飲む時に舌で前歯を押す癖のある子にも見られます。
それ以外に、鉛筆やお箸を噛むくせや、頬杖をつくなどでも歯並びに影響がでるのでやめましょう。
伊丹市 木下歯科 院長 木下勝巳