摂食嚥下障害・・・
歯科となじみが薄いように感じられるかもしれませんが、れっきとした歯科の分野の「病気」です。
摂食=食事すること
嚥下(えんげ)=飲み込むこと
健常者は口から食物を摂取し(摂食し)、飲み込む(嚥下する)ことができます。しかし、様々な病気や状態によりそれができない人(患者)もいます。そのような状態のことを「摂食嚥下障害」と言います。
その中でも「摂食嚥下障害」を自覚せずに、またそれが知らないうちに死に至る病気になるとしたら・・・怖いですよね!!
脅すわけでもなく、これは本当のことなんです。
日本人の死因第一位は「がん(悪性腫瘍)」、第二位は「心臓疾患(心筋梗塞など)」、そして第三位に「肺炎」と続きます。
「肺炎」が死因第三位というのはピンとこないかもしれませんが、肺炎死亡の92%は65歳以上の高齢者であり、また70歳を超えるとその割合は急激に増加します。
ではその高齢者の肺炎の発症の原因はなんでしょうか?
それは、唾液や胃液を少量ずつ知らないうちに誤嚥することが原因と考えられます。
誤嚥とはその字のごとく、誤って嚥下することで、さらに簡単に言うと「誤って肺に飲み込むこと」です。通常は飲み込む先は「胃」ですが、肺に空気以外のものが誤って入り込むと、肺炎を発症することがあるのです。
しかし、この誤嚥性肺炎は若年者や健常者には起こりにくく、嚥下する力が弱っており、また誤嚥しても本来ならば咳をすることで異物を排除できるところ、その咳をする力が弱っていると、口腔内の雑菌(唾液など)を誤嚥することで「誤嚥性肺炎」を引き起こすのです。
つまり、高齢者の肺炎=誤嚥性肺炎 であり、高齢者にとって肺炎は深刻な疾患(病気)と言えます。
では、その予防法や検査はどんな風にしたら良いのでしょうか?
伊丹市 木下歯科 木下勝巳